アグネス・チャンさんの撮影

 

8月の終わり、突如舞い込んできた、

アグネス・チャンさんの撮影。

 

 

 

普段は、家族写真など、

比較的プライベートな写真を撮っているので、

ちょっと毛色が異なる。

 

 

どんなご依頼でも、

撮影前は毎回必ず緊張するのだけど

（緊張しなくなったら終わりと言い聞かせてます）、

 

何だか種類が違うような？

足元がすくわれるような？

 

複雑な緊張感を味わったのでした。

 

 

もちろん、嬉しさも楽しさもたくさん感じたけれど、

ただ、それだけではなかったというのが事実です。

 

 

でも、香港に来て、

一番突き動かされている感覚がしたし、

 

失敗だと思っていた過去の選択も、

正解にすることができたし、

 

それこそ、点と点が繋がったような撮影でした。

 

 

というのも、わたしには、過去に、

とある大御所カメラマンの

アシスタントをしていた時期がありました。

 

 

正直、広告写真を撮りたいと思っていたわけではないのですが、

 

それまであまり苦労という苦労をしたことがなく

（言い方に語弊があるかもだけど）、

それは、学校写真や婚礼写真のカメラマンとして働き始めてからも同じで、

本当によい環境に恵まれて、

 

幸せと言えば幸せなのだけど、

どこか物足りなさを感じていたのです。

（なんと生意気な…）

 

 

だから、自ら、苦しい環境に飛び込んでいかなきゃ！みたいな、

今思うと、どうしようもない理由で、

アシスタントにつくことを決め、

断られても断られても、粘って粘って、

その座をゲットしたのです。

 

まぁ、予想していたとおりのきっっっつい毎日はやってきて、

何をやっても、罵声を浴びせられるような日々。

 

 

そのカメラマンさんも、

根は優しい、本当に素敵な方だったけれど、

 

アシスタントについた理由が理由だったし、

何せ業界が合わなくって、

 

自分の至らなさも大いにあり、

半年も経たずに、辞めることにしてしまいました。

 

 

当時は、学校の仕事も、婚礼の仕事も、

そのまま続けさせてもらっていて、

スケジュールが読めない中、

たくさんわがままを聞いてもらったし、

 

家族や友達と過ごしていても、

電話がかかってくれば、そちらが優先で、

 

この中途半端な選択が、

周りに多大な迷惑をかけてしまっている状況だったので、

わたしの中で、これは、

大きな間違いであり、大失敗に終わっていたのです。

 

 

でも、今回の撮影を通じて、

アシスタント時代があってよかったと、心から思えた。

 

この経験がなかったら、

きっとアグネスさんの撮影は受けていなかったと思います。

 

 

非常に短い…短すぎる期間ではあったけれど、

アシスタントとして、

編集部とのやりとりや、納品の流れなどを見てきていたので、

 

今回、ご依頼をいただいたときに、

自分にゴーサインが出せたし、

打合せから納品まで問題なく行なうことができました。

 

 

あのときの、あの日々を、

随分と昇華することができたような気がします。

 

あの黒い点（私的黒歴史だから）が、

ちゃんと今に繋がりました。

 

 

本当に本当に、

貴重な機会とご縁をいただくことができました。

 

ライターさん、編集部の担当者さん、そして、アグネスさん…

関わってくださった方々に、たくさん支えていただきました。

 

心から感謝の気持ちでいっぱいです！！！

 

 

あっ！

焦らそうと思っていたわけではないのですが、

最後の最後になってしまいました、汗。

 

肝心の掲載された雑誌は、

「美ST（ビスト） 2017年11月号」です。

 

 

 

実は、今月発売と思い込んでいたものが、

すでに先月の17日には発売になっていたこと、

 

納品したものとの色味の乖離がひどかったことに、

 

ここ数年で一番というくらいショックを受けておりました。

 

 

でも、またこれも次に繋がるかな。

いや、絶対繋げてやるーってかんじです。

 

 

ということで、

お知らせがかなり遅くなってしまいましたが、

 

まだまだ書店でも見つけられると思いますし、

Kindle版もありますので、

 

ぜひぜひ手にとっていただけたら嬉しいです♡

 

 

 

location：Ms. Agnes Chan’s House / Hong Kong

camera：EOS 5D markⅢ