香港での生活もだいぶ落ち着いてきた。
東京とまったく同じ…というわけにはもちろんいかないけれど、思ったよりも快適な生活を送れている。
習い事と、少しの在宅ワーク。
日本であんなに時間が欲しいと思っていたのが不思議なくらい、香港の一日は長い。
だから、その貴重な時間で、引越しに関するあれこれを書き留めておこうと思って、PCに向かっているわけです。
香港への引越しの中で、何より大変で、何より気を遣い、何より悩んだことがある。
それは、荷物の準備なんかでも、役所や金融機関まわりなんかでもなくって、そう!猫たちの輸送の手続き。
我が家には2匹の猫がいて、以前のブログ(転勤と猫)にも書いたとおり、香港に連れていくかどうかでも散々悩んだ。
猫たちにとって、飛行機での移動や、生活環境の変化がストレスになることは確実だったし、ペットの輸出入にリスクがあることも明確だったから。
しかも、有難いことに、義両親・親戚・姉夫婦が「転勤の間、うちで預かるよ」と言ってくれていた。
でも、やっぱり、最終的には、一緒に香港にやってくる決断をしました。
わたしたちが、その決断をした(決断ができた)のには、8つの理由がある。
すでにペットを飼っている人、そして、これから飼おうと考えている人たちに、ぜひ読んでもらいたいな。
海外転勤なんて関係ないなんて言わずにねー。
人生、いつ何が起きるかわからないからねー。
ちなみに、猫よりも、断然犬の方が輸送の条件が厳しいです。
はい、それでは、理由をば。
1. わたしが、猫たちと離れたくない
やっぱりこれ!何よりもこれ!
この気持ちがなければ、悩むこともないのだけれど。
どう転んでも、わたしにとって、みつ子とにゃんこは大切すぎる家族なのだ。
2. 場所も飼い主も、両方変わることは避けたい
「犬は人につき、猫は場所につく」と言われているけれど、実際に猫たちと暮らしていると、どうもそうでもないような気がする。
みつ子なんか、家にいるときはずっとわたしの後追いをしてるし、姿が見えなくなるとニャーニャー叫んでる(ごはんが欲しいだけですか?どうなんですか?)。
どちらにしても、東京の自宅は手放してしまうので、場所が変わらざるを得ないのであれば、飼い主は変わらない方が猫たちにとっても安心かなと思い、香港へ連れていく決断をした。
3. 環境の変化が少ない
ただでさえ、猫は環境の変化が苦手というから、急激な気温の変化だけは避けたい。
わたしが猫たちを連れて移動をしたのは、日本と香港の気候の差がほとんどない1月。
香港の方が、若干温かいくらい(結局、今年は大寒波で寒かったけれど)。
しかも、東京と変わらず、マンションでの室内暮らし。
日本とあまり差のない環境で暮らせることが、この決断を後押ししてくれた。
4. 年齢的なリスクが少ない
我が家の猫は、それぞれ4歳と5歳という、比較的体力のある年齢。
しかも、病気などもなく、妊娠もしていない。
だから、長時間の移動や気圧の変化にも耐えられると判断した。
4〜5年後も10歳前後だと考えると、帰国の際の移動も大丈夫だろう。
これが、生後間もなかったり、高齢だったりした場合は、さすがにあきらめていたと思う。
※ 生後60日未満、妊娠4週間を過ぎた場合、香港へ輸入することはできない。
5. 実際に、香港に猫を輸送した人がいる
実家に帰省したときに、何度か飛行機に乗せた経験はあるものの、海外への移動は初めて。
しばらくは、ひたすら検索して情報を集める日々を過ごしていたのだけど、そこでわかったのは、ペットと一緒に香港に移動したという方が結構いること。
受入れ態勢もしっかりしているし、手配を代行してくださる業者さんもいる国なので、安心することができた。
6. 業者の手配ができた
家具・家財の輸送をお願いしていた日通さんに相談すると、猫たちの輸送のサポートもしてくださるということだった。
海外輸送の場合、国内だけでなく、相手国側の業者の手配も必要なのだが、そこは香港日通さんを紹介してくれた。
業者を通さずに、個人で準備するというのも不可能ではないだろうが、かなり危険だと思っておいた方がいい。
特に、相手国側では、言葉の壁もあるので、ハードルは相当高い。
後述するが、輸送に失敗した場合、大切なペットたちに二度と会えなくなってしまう可能性だってある。
考えただけで、冷や汗が出てくる。
だから、「海外輸送 業者に頼め 絶対に」だ。
あっ!これ、スローガンです。
7. 金銭的に問題がなかった
国内線の場合、ペットは、片道5,000円(1匹)で乗せてもらえる。
でも、それと同じように考えていたら、甘い!甘すぎる!
ちなみに、人間なんかより断然高いので、覚悟が必要。
それを知らずに見積もりを出してもらった日には、腰が抜けると思います。
我が家は、事前に調査済みだったこと、予想していたよりも低料金で済んだことも重なって、何とか支払うことのできる金額だったので、金銭的な問題はクリア。
8. 日本側でも、香港側でも、車の手配ができた
大きなスーツケースとゲージに入った猫たち、それらをすべて一人で持って移動するのは、想像するだけでも大変。
※ 1匹につき、1ケージ必要。
しかも、どちらの国も、動物検疫所が旅客ターミナルから離れているという現実。
有難いことに、日本ではわたしの両親が、香港では旦那さんの会社の運転手さんが、サポートをしてくれた。
自宅⇄空港間の移動の心配がないだけで、かなり助かった。
業者さんや家族、運転手さんなど、様々なサポートがあったおかげで、猫たちの輸送の準備がスタートできたわけですが、やはり実際に香港で2匹に会うまでは、不安が消えることはなかったな。
飛行機での移動中にペットが亡くなってしまったという事故や、気圧の変化によって聴覚障害が残ってしまったという話も聞いた。
もし元気なまま香港に到着できたとしても、万が一、入国を拒否されてしまった場合、以下の選択を迫られることにだってなる。
● 日本への返送
● 日本へ返送できない場合、その時点で揃っている書類のみで受入れ可能な国に、一旦受入れをお願いする
● 最悪の場合、処分の対象になってしまう
日本への入国は、香港よりも厳しい。
香港では、2009年4月以降、輸入時の狂犬病予防接種は不要となっているが、日本では、狂犬病予防接種と抗体検査が必要。
準備期間が短かったため、我が家の猫2匹は、それらを受けることができなかった。
となると、香港に入国できなかった場合でも、日本への返送という選択肢はなくなる。
だから、可能であれば、国内で狂犬病予防接種と抗体検査を済ませてくる方がよいと思う(6ヵ月ほどかかるけれど)。
そんなこんなで、我が家の猫2匹は、無事香港へ入国できたという感動のストーリーなのだけど…
たかが引越し、されど引越しだったな。
自分たちのほかに、大切な2つの命があるということは、引越しに伴うあれこれを自分たちだけの都合で考えられないということ。
まぁ、でも、ここまでじっくり考えていれば、あとは、業者さんの指示どおりに動くだけ。
● 輸入までの流れ ← やることたくさん
● 準備するもの ← 準備するものたくさん
● 実際にかかった費用 ← これまたたくさん
うん、動くだけ…そうね、うん。
これらについては、また改めて書くことにしよう。
一先ず、2人+2匹は、元気に仲良くやってます。
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