これらの続き、フランスの地方を巡るシリーズです。
09:00 パリ市内発
>> 田舎道をドライブしながらジヴェルニーへ
>> モネの家見学 ← 今日はここ!
>> ジヴェルニーでランチ
13:30 ジヴェルニー発
>> レ=ザンドリ経由でオンフルールへ
16:00 オンフルール着
>> オンフルール散策
17:30 オンフルール発
18:00 ドーヴィル着
19:30 ディナー「Le Jardin」
>> ドーヴィル泊
ついにモネの終の住処、
ジヴェルニーの「モネの家」に到着!!!
チケット(9.5EUR)を購入して、中に入ります。
最初にあるのは、ミュージアムショップ!
帰りに購入するお土産たちに目星をつけて、いざ庭園へ。
と、その前に、ミュージアムショップを抜けたところに、
お手洗いがあるので、必要な方はそちらへ〜。
わーーー、こちらが、モネの邸宅です♡
グリーンがアクセントになった、
ピンクベースの可愛らしいおうちで、
一目見た瞬間に虜になりました〜。
モネが43歳から亡くなるまで暮らしていた場所。
モネ、そして、義理の娘で、
弟子のような存在だったブランシュが亡くなって以降、
特定の管理人が不在となっていたこの邸宅ですが、
1980年に「クロード・モネ財団」が設立され、
まるでモネの生前の頃のように蘇ったのです。
中に入ることもできます!
ということで、まずは、おうちの中をぐるっと一周!
モネのアトリエ
浮世絵の大ファンだったモネ!
所狭しと浮世絵が飾られています!
モネの長男であるジャン・モネ(左)と、ブランシュ(右)
2人は夫婦だったのです〜。
**********
ジヴェルニーの館のインテリアは、
どの部屋も、モネが細かく指示をして、
メインカラーや壁紙の柄、ソファの布地の柄や質感、
壁に掛ける絵のひとつひとつにまで、美意識が貫かれていた。
それゆえ、どの部屋にも見事な統一感があった。
**********
(引用:原田 マハ『ジヴェルニーの食卓』)
そう、とにかくどの部屋もため息が出るほど完璧で、
一寸の狂いもないセンスで仕上げられていました。
特に、モネの寝室から見えるお庭が素晴らしくって♡
まるで窓枠がキャンバスのようで、
飛び込んでくる草木の色が眩しいほどに美しい♡
これもきっと画家の計算あってのことかな〜。
庭に咲くお花たちもそうですが、
家具やオブジェのひとつひとつまでもが、
愛情をたっぷりと注がれていることを
わかっているかのような佇まいです。
**********
庭を満たす光の明るさを
部屋の中にも持ちこみたいと願ったモネは、
それぞれの部屋を花々の色彩で飾った。
台所はあじさいの青、
ダイニングルームはミモザの黄色で。
**********
(引用:原田 マハ『ジヴェルニーの食卓』)
思わず感嘆をあげたくなるような、
鮮やかな黄色に彩られたダイニングルーム。
大好きな人たちと一緒に食卓を囲む時間が
どれほど幸せだったかを物語っています♡
**********
「なあアリス、君の手料理をいっぱいに並べられる大きなテーブルがほしいな。
そのためにも、広いダイニングルームのある家にいつか引っ越せるといいな」
「あら、先生、このまえは私に、『野生の花畑をすっかり再現したような、
大きな庭を持つのが夢だ』っておっしゃっていたくせに」
ブランシュは、ちょっと意地悪く言ってみた。モネは笑って、
「そうだったね。じゃあ、その両方だ」
**********
(引用:原田 マハ『ジヴェルニーの食卓』)
きっとこのジヴェルニーの家は、
モネにとって夢が詰まった場所だったのだと思う!
邸宅を後にし、再びお庭へ。
邸宅の目の前に咲き誇る草花を抜け、
地下通路を通って、『睡蓮』のモデルとなった庭、
「水の庭園」
へと移動しました。
竹があったり、太鼓橋が掛かっていたり、
何だか日本的な雰囲気も漂っていました〜。
**********
あれからずっと、日本はモネの憧れの国になった。
日本的な情緒あふれる、睡蓮の浮かぶ池を抱く
庭を作るのが長いあいだの夢だった。
人生の後半にそれがようやくかなって、
どんなにうれしかったことだろう。
**********
(引用:原田 マハ『ジヴェルニーの食卓』)
自滅のエネルギーで作品を生み出す画家もいれば、
満たされたエネルギーの中で作品を生み出す画家もいる。
モネは、圧倒的に後者。
ここを訪れる前には、
少しつまらなく感じていたモネの作品だけど(ごめん)、
彼の画から感じるのは、
幸福や喜びのエネルギーなんだなぁ、
何だかそんなふうに上書きできたのでした。
(参照:Wikipedia『睡蓮(モネ)』)
「幸せになりたい」と口にしながら、
自分が何に幸せを感じるのかわからない人も多いと思います。
いや、そんな人ばっかりかもしれません。
だけど、モネは、自分の幸せをしっかりわかっていた。
ジヴェルニーに引っ越す以前のお話。
モネが、あのヴェトゥイユの小さな小さなおうちから、
(元パトロンの妻)アリスと、それぞれの子どもたちと、
みんなで一緒に新しい家へ引っ越そうと提案したときに、
アリスはそれを断固として拒否します。
モネの妻・カミーユは病死。
元パトロンのエルネストはすでにパリに戻っていたが、アリスとの婚姻関係はそのまま。
理由は、モネが、元パトロンの妻や子どもたちと
公然と一緒に暮らしていることが知れ渡ったら、
モネの画家としての将来を潰してしまうことになりかねないから。
**********
「君たちは、私を幸福な画家にしたいというのかい?」
「それならば、方法はたったひとつしかない。
私たち家族が、これからも一緒に暮らすことだ」
**********
(引用:原田 マハ『ジヴェルニーの食卓』)
「水の庭園」から再び邸宅前のお庭に戻って、
庭越しに邸宅を眺めていると、モネの気持ちになった気分で、
じーーーんと込み上げるものがあるのでした。
愛する家族と、美味しい食事、
美しい景色と、それを描くことのできる環境。
大きなおうちに住めるようになったり、
広いお庭を手に入れたり、名声だって手にしたモネだけど、
大家族が小さな家で身を寄せ合っていた頃から、
変わらずずっと幸せだったんだと思う。
必死に豪邸や名声に手を伸ばしてきたわけではなく、
自分の「好き」や「幸せ」に従ってきた。
この邸宅を手に入れたから、名声を手にしたから、
だから、幸せになったんじゃない。
彼は、ずっとずっと変わらずに幸せだったのだ。
ジヴェルニーの「モネの家」で、
モネの在り方を垣間見た気がしました!
実は、年中オープンしているわけではなく、
4月1日〜11月1日限定なのです。
わたしたちが訪れたのは10月だったので、
ギリギリといえばギリギリ〜。
夏季がおすすめという記事をよく見かけますが、
10月も草木が生き生きしていて綺麗でしたよ!
何より観光シーズンから少し外れていたからか、
人があまり多くなくて、ゆったり歩いて回ることができました!
**********
「時間によって風景は変わるんだ。
いま見ているこの景色だけがすべてじゃないんだ。
ああ、なんでそんな単純なことに気づかなかったんだろう。
なんでそんな当たり前のことが……こんなに、うれしいんだろう」
**********
(引用:原田 マハ『ジヴェルニーの食卓』)
ミュージアムショップでは、ノートが欲しかったんだけど、
これ!といった適当なものが見つからなかったので、
今回は、何も購入しませんでした〜。
このカンカンが可愛かった♡
色違いで何枚か買ってるな〜とは思っていたのだけど、
後日、彼が1つプレゼントしてくれた♡
「クロード・モネ財団」独自のガイドツアーは行なってなさそう。
美術館と違って、音声ガイド的なものもありません。
でも、せっかくなので、より「モネの家」を、
「モネの半生」を味わうために、
何かしらツアーに参加されるのがいいかなと思います。
いの一番におすすめなのは、「パリランデヴー」の大沢さん!!!
個人ツアーなので、ストレスフリーだし、
何より大沢さんは美術史の知識が豊富なので、
充実すること間違いなしです。
パリ⇄ジヴェルニーの往復もしてくださると思いますよ〜。
他にも、「KKday」の現地ツアーもありました!!!
5〜9月限定ですが、日本語で案内してくださるみたい。
最少決行人数が1名なのも有難い〜。
もしツアーやガイドを頼まないのであれば、
これだけはぜひ読んでいかれることをおすすめします。
今日のブログでも、たくさん引用させてもらった、
原田マハさんの『ジヴェルニーの食卓』!!!
せっかくパリに行かれるなら、少し足を伸ばして、
ジヴェルニーの「モネの家」まで行ってみてください♡
難しいこと抜きで、とにかく深く呼吸のできる場所。
いやはや、今すぐ飛んでいきたいよ〜。
クロード・モネの家と庭園 (Maison et des Jardins de Claude Monet)
住所:84 Rue Claude Monet, 27620 Giverny, France
電話:(33)2-3251-2821
ウェブ:http://fondation-monet.com/
地図:https://goo.gl/maps/nrV6kSjp6uTL4Kvh9